岡田真実
長崎原爆の日の9日に予定されている平和祈念式典について、主催する長崎市の鈴木史朗市長は6日、台風6号の接近を見据え、屋内で縮小開催すると発表した。岸田文雄首相や各国大使ら来賓、一般参加者の招待を見送り、市関係者のみで実施する。今後の気象状況によっては式自体の中止も検討する。
鈴木市長が市役所で臨時の記者会見を開き、明らかにした。台風6号の接近で、長崎市に暴風警報が発令される可能性が高いことを考慮した。代替場所は長崎駅近くの「出島メッセ長崎」で、屋内での開催は1963年以来60年ぶり。市関係者のみで実施するのは、式典開催が市主催になった56年以来初めてで、首相が参列しないのは99年以来という。
鈴木市長は「参列者の命を守るため苦渋の決断をした。参列予定だった方には誠に申し訳ない」。首相訪問に合わせて例年、被爆者団体が首相に要望を行う場が設けられているが、「後日、何らかの形でできないか調整したい」と話した。
長崎市の方針を受け、岸田首相は当初予定していた式典への出席を見送る方向だ。この四半世紀ほど、歴代首相は広島、長崎の双方の平和式典に出席しあいさつするのが慣例だった。首相周辺は「欠席は異例」としたうえで、「長崎市の決定。行くべきだと思うが仕方がない」と話した。(岡田真実)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル